「同僚に車で出かけることが多いと言ったら、ETCでポイントが貯まるって教えてくれた。
休日のレジャーや通勤でETCはよく使っているけど、今までのポイントって貯まっているの?」
ETCマイレージサービスは、ETCを利用して高速道路を通ると、支払った通行料に対してポイントが付与されるサービスです。
ですが、ETCを利用する人は多いのに、知らない人が意外と多いサービスでもあります。
貯まったポイントは通行料にあてることができるので、貯めれば貯めるほど無料通行ができます。
また、登録も無料で行えるので、高速道路を利用する機会があるならぜひ利用したいですよね。
ですが、このマイレージサービスは事前登録制のものなので、ETCを持っていても登録がなければポイントは貯まりません。
また、全ての高速道路で利用できるわけではなく、他にも利用する事業者によってポイント付与の条件や還元率が異なります。
「そもそも、ETCマイレージサービスって何?」
「ポイントの貯め方、使い方を知りたい!」
「登録ってどうすればいいの?」
「お得な使い方ってあるの?」
あなたのそんな疑問に答えるため、ETCマイレージがどんなサービスかを1つにまとめてみました。
読み終えていただければ、あなたに合った使い方を理解して申し込みができるようになりますよ。
目次
ETCマイレージとは 1分で分かるサービスの仕組み
ETCマイレージサービスは、簡単に言うと「高速道路でETCを利用すると、ポイントが貯まる」サービスプログラムです。
ですが、利用する高速道路や時間帯、利用する車は人それぞれです。
それによって条件が違ったり、説明が色々な所に書いてあったりと、いざ調べようとすると分かりにくいシステムに感じられるかもしれません。
そんなマイレージサービスをしっかり理解するため、まずは「ETCマイレージサービスってどんなもの?」から簡単に説明していきます。
①高速道路でETCを通過すると、料金に応じてポイントがもらえる
ETCマイレージサービスは個人・法人問わず利用可能なポイントサービスです。
セットアップ済みのETC車載器に登録したETCカードを挿入し、高速道路のETCゲートを通過するだけで、簡単にポイントを貯めることができます。
ポイントは支払った通行料の額に応じて付与されます。
だから、利用頻度が多かったり走行距離が長いほど、どんどんポイントが貯まっていきます。
登録料・年会費は無料で、デメリットもありません。
②貯まったポイントを使って通行料を割引できる
貯まったポイントは、対象の高速道路・有料道路の通行時に、通行料の割引に充てることができます。
航空会社のマイレージプログラムがありますが、ETCマイレージサービスはその車版と言えるでしょう。
たくさんポイントをためて一度に交換すれば還元率が大幅アップします。
そうすれば、より多くの無料走行分に換えることができますよ。
③登録や交換にかかる費用は無料!ETCを利用するならぜひ登録しよう
利用を始めるには、車載器やETCカードなどを用意するだけでなく、ETCマイレージ事務局への事前の登録が必要です。
そのため、「今までETCを利用していたけれど登録はしていなかった」という場合、残念ながらこれまでの利用分にはポイントがついていません。
オンラインでの登録なら手続きも簡単で、申し込み完了当日からポイントがつきます。
今後もETCを利用する機会があるなら、「思った時が吉日」と考えて、申し込みをしておくと良いでしょう。
ポイントの貯め方と使い方
ETCマイレージサービスの「ポイントを貯める・使う」流れは以下のようになります。
ETCマイレージサービス ポイントを貯める~使うまでの流れ
ここで誤解されやすいのが割引の方法です。
「ETCを通過すると割引されるはずなのに、通行時に表示される支払い料金がどうして通常料金なの?」と疑問を持ちがちです。
「ETCを通過=割引」なのではなく、本プログラムは通行料の支払いに対して後日ポイントが付与されるシステムです。
そのため、料金所を通過時に支払う金額は通常料金です。
その代わり、支払った分に対するポイントは翌月にちゃんと還元されます。
表示された額が割り引かれていなくても間違いではないので、心配はいりません。
①登録したらETCを通過するだけで自動的にポイントが貯まる
ポイントを貯めるにあたって、最初にすることはETCマイレージサービスへの登録です。
公式ホームページから、所有している車や車載器、支払いに使いたいETCカードの情報を入力して、所有者情報を紐づけて登録申請をします。
詳しい登録方法は後の章で説明します。
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マイレージサービス登録までの流れ
登録完了の連絡がきたら、準備はOKです。
マイレージサービス対象の高速道路を利用し、通行料金をETCカードで支払います。
すると、利用した高速道路の事業者ごとにポイントが集計され、利用の翌月20日に付与されます。
ですが、その場合に貯まるポイント数はその区間の通常料金ではなく、「実際に支払った金額」をもとに計算されます。
また、ポイントは「支払い額」に対し付与されるので、還元額を利用して無料通行となった分に対するポイント付与はありません。
②貯まったポイントは還元額に交換してから無料通行分に利用
通常走行で貯まったポイントは、そのままでは使えません。
ETCマイレージサービスの利用者ページでポイントから「還元額」に交換する必要があります。
この還元額が、次回以降の通行料金から割り引ける「無料通行分」となります。
たとえばポイントを1,000円分の還元額に交換した場合、その1,000円分を使いきるまでは通行料金がかかりません。
- オンラインで手続き
ETCマイレージサービス公式ホームページのマイページから
ETCマイレージサービス ログイン画面 - 電話で手続き
マイレージサービス自動音声ダイヤル
050-2015-1010(携帯電話・PHS・IP電話からも利用可)
受付時間 24時間
ETCマイレージサービス事務局
0570-010-125(ナビダイヤル)
045-477-3793(携帯電話・PHS・IP電話)
受付時間 9:00~18:00(平日・土日祝日)
※契約者本人からの電話のみ受付可能
③ポイントには有効期限がある
付与されたポイントには有効期限があり、期限内に還元額に交換しないと、せっかく貯まったポイントが消滅してしまいます。
有効期限は、ポイントが付与された年度(4月~翌3月)からその翌年度末(3/31)までの最長2年間です。
忘れずに交換しましょう。
一方、ポイントから交換した還元額には有効期限はありません。
そのため、貯まったポイントは時折マイページからポイント照会するか、こまめに還元額に交換すると良いでしょう。
解約などでマイレージ登録が取り消しになると、その時点でIDが抹消され、貯まっていたポイントや還元額が消滅します。
ですが、実は自分で解約しなくても、長期間マイレージサービスを利用しない場合は登録が自動取り消しとなってしまうんです。
マイレージサービスの利用頻度が少ない方は要注意です。
- 2年間(730日間)ポイントや還元額に増減がない場合
※長期間利用がなくても、マイレージ事務局からの連絡はありません。
マイレージサービスの登録が取り消されても、ETCを利用することはできます。
そのため、時間がたってもポイントが貯まっていないことに気づけない、という可能性があります。
長いこと利用していないな、と思ったら事務局へ問い合わせてみましょう。
④有効期限内の交換を忘れそうなら「ポイント自動還元サービス」を利用しよう
「ポイントを交換するタイミングを忘れてしまいそうで不安…。」
それなら、あらかじめ設定した量のポイントが貯まると自動で還元額に交換される「ポイント自動還元サービス」が便利です。
還元額は当日の午前0時以降の支払い額に充てられるので、確実に使うことができます。
自動還元の単位は、以下のように道路事業者によって異なります。
道路事業者 | |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 | 5,000ポイント→5,000円分 |
本州四国連絡高速道路株式会社 | 5,000ポイント→5,000円分 |
名古屋高速道路公社 | 1,000ポイント→1,000円分 |
愛知県道路公社 | 1,000ポイント→1,000円分 |
神戸市道路公社 | 1,000ポイント→500円分 |
広島高速道路公社 | 1,000ポイント→1,000円分 |
福岡北九州高速道路公社 | 1,000ポイント→1,000円分 |
ポイント自動還元サービスは、マイページや電話で設定ができます。
- インターネットのマイページからの手続き
ETCマイレージサービス ログイン画面 - 自動音声ダイヤルでの手続き
050-2015-1010 24時間受付 - 電話での手続き
本人からの電話のみ・9:00~18:00
0570-010-125(ナビダイヤル)
045-477-3793(携帯・PHS・IP電話)
⑤マイレージサービス登録者限定サービス 平日朝夕割引の仕組み
ETCマイレージサービスに登録する大きなメリットが、平日朝夕割引です。
- 対象道路事業者:NEXCO東日本/中日本/西日本・宮城県道路公社・本州四国連絡高速道路
- 対象時間帯:平日6~9時、17~20時
上記の対象の高速・優良道路を対象時間帯に通行すると、通行料がなんと最大50%割引になります。
通勤や仕事でこの時間帯に高速道路を利用する機会がある方には嬉しいサービスです。
しかも、ETCマイレージサービスに登録している方は自動的に適応対象なので、新たな手続きはいりません。
割引方法は、通常の還元方法と同様に、支払い料金に対して還元額が計算・翌月付与される形となります。
そのため、通行時に支払う料金は割引のない通常料金となります。
ですが、通常走行時と違い「ポイントではなく還元額として付与される」ため、付与分はそのまま無料走行分に充てることができます。
平日朝夕割引の仕組み
適応についての詳しい条件は後の章で解説しています。
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平日朝夕割引の条件(NEXCO東日本/中日本/西日本・宮城県道路公社)
平日朝夕割引の条件(本州四国連絡高速道路)
道路事業者ごとにポイント制度が異なる
マイレージサービス対象の高速道路はNEXCO(旧道路公団の管轄道路)や福岡高速道路、広島高速道路などの事業者に分けられます。
どの道路でも利用でポイントが貯まるという点は同じなのですが、ポイント制度は各事業者が設定するため条件などが異なります。
そのため、「何円の料金にポイントが付与されるか」、「何ポイントが何円分の還元額になるか」も事業者によってまちまちです。
あなたが普段利用している高速道路の還元率をいち早く知りたい場合は、以下のリンクから記事後半にジャンプしちゃって下さい。
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ETCマイレージ還元率のまとめ
①事業者ごとのポイント付与率
通常、利用1回ごとの支払い料金に対してポイントが付与(基本ポイント)されます。
ですが、事業者によっては月間利用額が一定以上になるとさらにボーナスとして追加される「加算ポイント」があります。
ETCカード利用時でも、ETCパーソナルカード(クレジット機能のないもの)でも付与率は変わりません。
それでは、各社のポイント付与率を一覧で確認してみましょう。
道路事業者名 | ポイント付与率 |
| 基本ポイント 1P/10円 加算ポイント |
| 1P/100円 + 加算ポイント(5,000円超~) 4~18P/100円 |
| 1P/100円 + 加算ポイント(5,000円超~) 3~19P/100円 |
| 3P/50円 + 加算ポイント(10,000円超~) 3~10P/50円 |
| なし |
加算ポイントの付与率は月間利用額に応じて変動するので、次の項目で解説します。
換算単位に満たない端数は切り捨てとなります。
(例)100円ごとに1ポイントの付く道路で680円の通行を11回した場合
■基本ポイント
基本ポイントは、1回の利用ごとにポイントが計算されます。
この例の場合、換算単位が100円なので、100円未満の80円は切り捨てられます。
そのため、付与されるポイント数は6P×11回=66ポイントとなります。
■加算ポイント
加算ポイントは、1ヶ月の合計額からポイントが計算されます。
この例の場合、1ヶ月の合計額は680円×11回=7440円。
ですが、加算ポイントの換算単位が100円ごとであれば100円未満の40円だけが切り捨てられるため、7400円から計算されます。
ETCが使える高速道路はたくさんありますが、全ての高速道路でマイレージサービスを利用できるわけではありません。
例として首都高速が挙げられます。
都心のど真ん中にあるし、利用者数も多いから当然対象、と思われがちですが残念ながらサービス対象外の高速道路です。
他にも、還元額を使うことはできるけれどポイントはつかない道路もあります。
あなたがよく利用する高速道路はポイント付与や還元額の利用ができる道路なのか、マイレージサービス公式ホームページでチェックしてみましょう。
ETCマイレージサービス 対象の道路
目的地に向かうときに複数のルートが選べる場合、利便性だけでなく、サービス加入の有無も選ぶ理由になりそうですね。
②阪神高速道路株式会社・名古屋高速道路公社はサービス終了
他にも、阪神高速道路株式会社と名古屋高速道路公社はこれまでマイレージ対象でしたが、それぞれ2021年3月と4月末をもってサービスを終了しました。
現在対象の事業者でも、今後付与条件の変更やサービスの終了がある可能性もありますので、よく利用する高速道路の情報に気を付けておくと良いでしょう。
③走れば走るほど還元率アップ!「加算ポイント」のある事業者
加算ポイントが付与される場合、換算単位は1カ月のETC利用額に応じて増加していきます。
例)愛知県道路公社
~5,000円:加算なし
5,001円~10,000円:4ポイント
10,001円~20,000円:8ポイント
20,001円~30,000円:12ポイント
30,001円:18ポイント
ですが、換算単位や加算ポイント数は事業者によって違い、また、正確なポイント数を計算するのは手間がかかります。
そのため、とりあえず月間利用額が多いほどポイントの付与率が上がるということだけ覚えておけば良いでしょう。
還元率の上がる金額に達しなくても損はしない計算方式なので、特にドライバーが気にする必要はありません。
なので、この項目の解説は詳しく知りたい方、自分で計算してみたい方向けです。
そこまで細かい解説が不要な方は、まとめまで飛ばしてしまいましょう。
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ETCマイレージ還元率のまとめ
マイレージ公式ページには、各事業者の加算ポイントの一覧が掲載されてます。
月間利用額 | 加算ポイント |
---|---|
5,000円まで | なし |
5,000円超~10,000円までの部分 | 3P/100円 |
10,000円超~20,000円までの部分 | 6P/100円 |
︙ | ︙ |
そして、加算ポイントを含む還元率の計算方法は以下のようになります。
【例】13,000円使った場合
(誤)13000円÷100×6P=780ポイント
(正)5,001~10,000円…150ポイント
10,001~13,000円…180ポイント
合計:330ポイント
ここでは、月に何円の料金を払ったら何ポイント加算されるのか、簡単に計算できるように速算表を作りました。
最終的に付与されるポイント数=この表で出た計算結果+基本ポイント数となります。
◆福岡北九州高速道路公社
◆広島高速道路公社
月間利用額 | 加算ポイント付与数 |
---|---|
~5,000円 | 加算なし(基本ポイントのみ) |
5,001~10,000円 | 3P/100円-150P |
10,001~20,000円 | 6P/100円-450P |
20,001~30,000円 | 12P/100円-1,650P |
30,001円~ | 19P/100円-3,750P |
- 100で割って、1円未満を切り捨て
16250÷100=162.5→162 - 表の100円あたりポイント数をかけて、マイナス値を引く
162×6P-450P=522ポイント
福岡北九州高速道路公社のみ、もし厳密に計算するなら基本ポイントだけ福岡高速と北九州高速で合計する必要があります。
しかし、誤差が出たとしても1ポイントなので、単に利用する上ではそこまで気にする必要もないでしょう。
◆ 愛知県道路公社
知多半島道路、セントレアラインなどを管轄しています。
月間利用額 | 加算ポイント付与数 |
---|---|
~5,000円 | 加算なし(基本ポイントのみ) |
5,001~10,000円 | 4P/100円-200P |
10,001~20,000円 | 8P/100円-600P |
20,001~30,000円 | 12P/100円-1400P |
30,001円~ | 18P/100円-3,200P |
◆ 神戸市道路公社
六甲北有料道路、六甲有料道路、山麓バイパスを管轄しています。
月間利用額 | 加算ポイント付与数 |
---|---|
~10,000円 | 加算なし(基本ポイントのみ) |
10,001~35,000円 | 3P/50円-600P |
35,001~70,000円 | 5P/50円-2000P |
70,001円~ | 10P/50円-9,000P |
④1ポイントあたりの還元率も事業者によって違う
そのポイントが何円分の割引相当額になるのかも事業者によってまちまちですが、中でも特徴的なのがNEXCO(旧道路公団)です。
1000ポイント交換すると500円分の還元額なのですが、まとめて5000ポイント交換すると5,000円分というように、一度に利用する額によって還元率が2倍も変わってきます。
NEXCO道路以外は一度に何ポイント交換したとしても還元率は変わりません。
道路事業者名 | ポイント交換単位 |
---|---|
| 1000P→500円分 3000P→2,500円分 5000P→5,000円分 |
| 100P→100円分 |
| 200P→100円分 |
では、ETCマイレージサービスは利用額に対して実質何%の還元額を得られるのでしょうか。次の章でまとめます。
通行した道路の事業者によりポイント付与の条件が異なるため、マイページに記載されるポイント残高は事業者別に集計されます。
ここからポイント詳細情報を確認すると、事業者別に付与されたポイント数の内訳を知ることができます。
このように、ポイントは事業者ごとに付与されるため、ポイントを会社間で振り替えて合算することはできません。
例外なのは仙台松島道路を管理する宮城県道路公社です。
ここだけはポイントをNEXCO(旧道路公団)3社と共通にしており、マイレージサービス利用上は同じ道路事業者のように扱われます。
このようにポイント自体は別々に付与されますが、ポイントを交換した後の無料通行分は各社共通となります。
そのため、東名高速でポイント獲得→還元額に交換→名古屋高速で無料走行、というように、マイレージ還元額が利用できる道路であればポイント付与された道路と還元額を利用する道路が同じ事業者である必要はありません。
⑤ETCマイレージ還元率のまとめ
まずは各事業者のポイント還元率を一覧表にまとめてみましょう。
道路名 | マイレージ還元率 |
---|---|
| 5~10% ※一度に交換するポイント数によって変動 |
| 3%以上 |
| 1%以上 |
NEXCO、本四高速の還元率が突出していますが、実際に利用する上では他の道路もNEXCO並みの還元率となることがあります。
そこで、ここからは道路事業者ごとに1%でも高い還元率を得る方法を検証していきます。
(1)NEXCO(旧道路公団)は通勤利用なら還元率最大50%!?
ETCマイレージサービスをとても利用しやすい道路のNEXCOは、1ポイントあたりの還元率が一定ではない特殊な道路と言えます。
5000ポイント単位で交換する場合の還元率は、なんと10%相当にのぼります。
そのため、ポイント有効期間内(最大2年間)にできるだけ5000ポイントまで貯めてから交換したいですね。
- ■毎月、継続的に走行する場合
- 85km(1カ月あたり)以上
- ※東京・大阪の大都市近郊区間を中心に利用する場合
- 53km(1カ月あたり)以上
上記の走行距離をクリアすれば、月に1回の頻度でも10%還元が可能になります。
ここまで貯めるのは難しくても、最低交換可能ポイント数の1,000ポイントをクリアしていれば、5%の還元を得ることができます。
1,000ポイントを2年間の有効期限までに貯めるには年間203km、1月あたり17km以上の高速道路利用があれば大丈夫です。
さらに!
実はNEXCOに関しては、通勤時間帯の利用に対して最大50%割引の還元サービス、平日朝夕割引があります。
人によってはマイレージよりもこちらがメインになるかもしれませんね。
(2)平日朝夕割引が通勤利用者にとって最大のメリット
ETCマイレージサービス登録のメリットはポイントだけではありません。
マイレージ登録者だけの割引特典として平日朝夕割引も自動的に適用されます。
これは通勤時間帯(6~9時、17~20時)に有料自動車道路を利用するETC無線通行車への割引で、割引対象走行回数が5回以上あると料金が還元されるというものです。
- NEXCO東日本/中日本/西日本
- 宮城県道路公社
- 本州四国連絡高速道路
事業者によって若干条件の違いはありますが、割引率は最大50%にのぼります。
これで登録料・年会費無料なのだから、利用しない手はありませんね。
NEXCO東日本/中日本/西日本、宮城県道路公社※ | ||
---|---|---|
対象区間 | NEXCO東日本/中日本/西日本が管理する普通区間(地方部)の高速道路、一般有料道路(一部対象外の道路あり) 宮城県道路公社が管理する道路 | |
割引回数制限 | 朝・夕それぞれ最初の1回限り | |
距離制限 | 最大100km走行分まで | |
対象走行あたりの還元額 | 10回以上 | 通行料金の50%相当額 |
5~9回 | 通行料金の30%相当額 |
「最大50%の割引率」なのは、割引適用回数が5~9回だと割引率が30%までであるから、また1走行あたりの割引対象距離が最大100kmまでだからです。
つまり、利用頻度が低いか、片道100kmを超えるような遠隔地からの通勤でもない限り影響はありません。
通行料金が安くなる分マイレージポイントの貯まり方はペースが落ちますが、通勤時間帯の利用(片道100km以内)に関しては最終的な還元率はETCマイレージと合わせて54.5%に到達します。
もし割引対象走行回数が足りず、30%の割引だった場合はトータル36.3%還元となります。
もちろん朝夕割の適用される利用回数に至らなければマイレージの10%のみです。
(3)本四高速はマイレージ登録の恩恵が大きい
本州四国連絡道路もNEXCOに次いでETCマイレージサービスを利用しやすい道路です。
ポイント付与率、交換比率はNEXCOと同じで、5000ポイントまとめて交換すれば10%還元になります。
そして、注目すべきは少ない利用回数でもポイントの最低交換単位に届くということです。
都市高速などのマイレージは、どれもが何往復も走行しないとポイントが交換できないまま失効してしまいます。
それに対し本四高速の場合、海を渡り切ると料金は普通車でも片道2~3千円台かかります。
そのため、ポイントの有効期間である2年度内に2~3往復でも利用することがあれば、最低交換単位の1000ポイントに届くのです。
また、NEXCO同様に平日朝夕割引があり、こちらはなんと距離制限はありません。
この時間帯に定期的に長距離を利用する場合は、さらにマイレージ登録の恩恵が大きくなります。
本州四国連絡高速道路 | ||
---|---|---|
対象区間 | 神戸淡路鳴門自動車道 瀬戸中央自動車道 西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道) | |
割引回数制限 | 各時間帯に複数回走行の場合も割引の対象となるが、適用回数のカウントは1回となる 適用回数上限:2回/日 | |
距離制限 | なし | |
対象走行あたりの還元額 | 10回以上 | 平日のETC車料金が現金車料金の50%相当額を上回る区間では、その差額。 (上回らない区間は割引はなし) |
5~9回 | 10回以上の額の60%に相当する額 |
(4)福岡・北九州都市高速、広島高速、知多半島4路線
いずれも基本ポイントは1%還元ですが、利用頻度が高くなるに従って加算ポイントが追加され、還元率が跳ね上がっていきます。
仮に通勤で一カ月に20往復するとした場合、一律620円の福岡都市高速では1574ポイントが得られます。これは6.3%の還元率です。
高頻度利用者向けの傾向が強いマイレージサービスだと言えます。
広島高速は通勤割引(朝6~9時、夕17~20時、最大10%割引)がありますが、それ以外には同様の割引がないので、その代わりという意味合いがあるのかもしれません。
ですが、それぞれの道路があまり長くなく、料金は利用1回あたり高くても7~800円台であるのに、ポイントを交換するには最低10,000円分の走行が必要です。
旅行などでたまに走行する程度では交換できるほどポイントを貯めるのは厳しいかもしれません。
(5)神戸市道路公社のマイレージ還元率
神戸市道路公社のポイント交換単位は200ポイントです。
端数切捨てを度外視すれば、3,350円利用するごとに1回ポイント交換ができます。
ところが管轄道路のうち、1番長い区間ですら料金は630円と、1回の走行で貯められるポイントも低くなります。
通勤や帰省など、定期的な利用がない場合は期限内にポイントを貯めきれず失効とならないよう、注意が必要です。
交換可能な数までポイントが貯まりさえすれば還元率は3%。北摂三田ニュータウンから神戸市へ通勤する方のように、400円程度の区間を月に20往復利用するなら4%還元くらいにはなるかなというところです。
さあ始めよう!ETCマイレージの利用方法
マイレージサービスの仕組みについてイメージがつくようになったでしょうか?
ここからは実践編です。
サービスの登録方法や、別の車に乗る場合にポイントが付くかなど、よくある疑問について解説していきます。
①利用前に必ず登録!車載器にカードをさすだけではサービスは使えない
ETCマイレージサービスでは、走行後ポイントが貯まるのは「登録が完了してから」です。
- 登録に必要なもの
- 登録者名義の車(二輪・四輪問わず)
- セットアップ済みのETC車載器
- 登録者名義のETCカードまたはETCパーソナルカード※
- 登録に必要な情報
- ETC車載器管理番号(車載器の19桁)
- 車両番号(ナンバープレートの4桁)
- 個人情報(氏名・生年月日・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス)
登録できるETCカードは以下の2種類です。
- ETCカード
- 発行元:カード会社
- カードに紐づいている
- カードによっては、ETC支払い料金がポイント還元の対象になるものがある
- ETCパーソナルカード
- 発行元:高速道路株式会社
- 年会費として1,257円(税込)
- 平均利用月額の4倍程度のデポジット(保証金)を預託することでETCが利用可能
登録に当たっての注意点は「車・車載器・ETCカードの情報が全て紐づいていること」です。
ですから、全ての名義が登録者本人のものであることを必ず確認しましょう。
名義人に相違がある場合、サービスの利用はできません。
「買った中古車にETC車載器がついていた」
「ネットや知り合いから中古の車載器を購入した」
こんな理由で、新品ではない車載器を利用する場合、車載器は再セットアップをしなくてはなりません。
車載器に登録されている前の所有者情報を、新しい所有者であるあなたとあなたの車に登録しなおさなければならないからです。
中古車を購入する場合は販売店で再セットアップしてくれることがありますが、作業がオプションになっている場合もあります。
車載器の情報が前の所有者のままだとマイレージサービスの登録は出来ません。
登録前に、お近くのセットアップ店で再セットアップ作業を依頼しておくようにしましょう。
ETC車載器セットアップ店検索
②マイレージサービス登録までの流れ
申し込みはオンライン、または郵送で行うことができます。
オンラインでの申込の流れ
新規マイレージ登録 -仮登録申込
郵送で申し込む場合は、専用の申し込み用紙の入手が必要です。
申込書は高速道路料金所事務室やサービスエリア・パーキングエリアで入手できます。
郵送での申込の流れ
(高速道路料金所事務室やサービスエリア・パーキングエリア)
(通常2~3週間ほどで発送)
発行されたマイレージIDとパスワードは、マイページでの履歴の確認や各種手続きに必要なので、大切に保管しましょう。
申し込みの手軽さやかかる期間、当日の走行からポイントが貯まる点からも、オンライン申し込みが便利です。
「登録者本人名義の自家用車がない」
「自家用車はあるけれど、ETC車載器を搭載していない」
こんな場合、同居家族が車載器を搭載した車を持っている場合に限り、本人名義とは別の車にETCカードを追加登録することができます。
なお、「同居家族」とは「申込者と同一住所で同居し、生計を共にする家族」となります。
③車載器1台に登録できるETCカードは4枚まで追加できる
「家族で車を共有するけれど、ETCの支払い料金はそれぞれで支払いたい!」
そんな場合は、家族のカードも登録することができます。
本来、車載器1台に対して登録できるETCカードは原則1枚です。
ですが、「申込者と同一住所で同居し、生計を共にする」同居家族名義のETCカードであれば、申込者のカードを含めて計4枚まで追加登録することができます。
なお、同居家族のものであっても、法人の口座から引き落とされる「法人カード」の追加登録はできません。
④レンタカーやカーシェアの車でもポイントがつく
レンタカーやカーシェアの車を利用する場合も、登録済みのETCカードを車載器に挿入するだけでポイントが貯まります。
なお、自家用車や同居家族の所有者がないなど、マイレージサービスの登録ができていないETCカードの場合、ポイントは貯まらないのでご注意ください。
ETCマイレージサービスで損をしないためにすること3つ
ETCマイレージは自動的な割り引きではなく、自分で管理する必要がある還元サービスです。
そのため、何もしないでいると還元が受けられません。
そうならないために、注意すべきは、以下の3つのポイントになります。
①平日朝夕割引が適用される時間に料金所を通過する
旧道路公団のNEXCO道路・宮城県道路公社・本州四国横断道路で適用される平日朝夕割引ですが、6時~9時および17時~20時の間に入口料金所または出口料金所を通過する走行が一カ月に5回以上ないと適用されません。
長距離走行の場合でも(NEXCO道路と宮城県道路公社は最大100kmまで)この時間帯に料金所を出入りすれば割引対象になります。
平日に走行するときは時計を忘れずチェックしましょう。
でないと割引対象走行回数が1回だけ足りなくて割り引きゼロなんてことにもなりかねません。
②ETCカードが通行料金支払いでポイントが1%つくものか確認する
高速料金は、一回の利用で数千円~数万円単位と高額になることもあります。
そのためETCカード自体にもポイントがつけば嬉しいですよね。
ETC通行料に対してポイントが付くETCカードの多くの還元率は~0.5%です。
ですが、還元率1%のETCカードもあります。
これからETCカードを作る場合や、すでにカードを持っている場合は、カード会社に還元率を確認しておきましょう。
③ポイントを期限切れで失効させない
最後に、当たり前ですが一番大事なこと。
ポイントを数千円分貯めても使いそびれたら全て失効してしまいます。たとえ自動交換サービス利用中でも、自動還元されるポイント数に満たないまま期限切れということもあります。
期限は毎年3月末なので、年度最後のポイント付与日である3月20日はカレンダーに印をつけておくといいですよ。