ETCの利用にはETC車載器が必要です。
ETC車載器は購入場所や購入商品により、かかる費用に大きな差が出ます。
カーディーラーで自動車メーカーから発売されている車載器を購入すると安心ですが、比較的費用が掛かる傾向があります。
インターネットなどでは中古のETC車載器が低価格で販売されていますが、「カーナビと連動できない」などの状況が起きる可能性も否めません。
今回は、ETC車載器の種類やその選び方に加えて、できるかぎり安くETC利用の準備を済ませる方法をまとめました。
読み進めて頂ければ、今のあなたに合ったETC車載器とその準備方法が分かります。
目次
- 1 ETCを利用するために必要な「ETC車載器」とは
- 2 「ETC車載器」はどこで購入できる?安く買うにはどうすればいい?
- 3 ETC車載器の販売・取り付けを行っている主なカー用品店
- 4 注意!その車ではじめてETC車載器を使うには「セットアップ」(再セットアップ)が必須
- 5 ETC車載器の3つのタイプ(形状)について
- 6 代表的な車載器メーカーとおすすめ車載器
- 7 自動車メーカーから発売されている車載器を選ぶメリット・デメリット
- 8 インターネットやカー用品店でETC車載器を購入するメリット・デメリット
- 9 ETC車載器は「音声案内付き」とそうでないもの、どちらがおすすめ?
- 10 ETCの利用には、車載器に加え「ETCカード」が必要
- 11 ETC車載器の概要と選び方についてのまとめ
ETCを利用するために必要な「ETC車載器」とは
①ETC車載器とは、ETCカードを有効に使うための機械
ETCを通るために必要なものは、「ETC車載器」と「ETCカード」の2つです。
ETCカードは通行料金を支払うためのカードで、ETC車載器は「ETCカードを有効に使うための機械」と考えて良いでしょう。
ETC車載器が無線通信で車両情報などを送信することで、ETCカードに「後払い」料金を請求できます。
またETCカードは、ETC車載器に挿入して使うことになります。
▲ETC車載器の例(メーカー公式HPより)
②現在は安価な「ETC車載器」と機能が向上した「ETC2.0車載器」の2つがある
ETC車載器には現在、ETC料金の後払いのみを目的とするスタンダードな「ETC車載器」と、さらにサービスが充実した「ETC2.0車載器」の2種類があります。
「ETC2.0車載器」には、通常の後払いに加え「カーナビと連動した、渋滞時の迂回路案内」「災害時のスムーズな案内」といった機能が搭載されています。
ですがその分、価格は少し高くなります。
お仕事などでよく高速道路・有料道路を利用するのなら、基本的に「ETC2.0車載器」を選ぶのが良いでしょう。
一方、たまにETCを使うくらいであれば、お手頃な「ETC車載器」を使っても良いかもしれません。
ETC車載器 |
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ETC2.0車載器 |
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「ETC車載器」はどこで購入できる?安く買うにはどうすればいい?
ここからは、ETC車載器の入手方法についてお話していきます。
①新車を購入するならディーラーで一緒に購入&取り付けしてもらうのが基本
あなたがこれから新車を購入するのなら、ディーラーでETC車載器の購入・取り付け・セットアップを完了してもらうのが良いでしょう。
こちらは自動車購入時のオプションサービスとして選択できるだろうと思います。
自動車メーカー純正品のETC車載器は、そうでないものより高価です。
しかし、純正カーナビとの連動システムが搭載されていたり、見た目のスッキリした「ビルトインタイプ」を選べたりと、メリットも多くなっています。
お店でセットアップまで完了してもらえば、お手持ちのETCカードを挿し込むだけでETCを利用可能となります。
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自動車メーカーから発売されている車載器を選ぶメリット・デメリット
②中古車でもお店や整備工場で車載器を購入&取り付けてもらうのが手軽
あなたがETCの取り付けに対応しているお店で中古車を購入する場合も、お店や整備工場で車載器を購入〜取り付け・セットアップしてもらうのが一番手軽でしょう。
ただし、このサービスを行っていないお店もありますので、店員さんに直接尋ねてみることをおすすめします。
③できる限り料金を抑えたいなら、中古の車載器購入+取り付けを
車載器は中古のものであっても、お店で「再セットアップ」を済ませることで利用可能となります。
そのためフリマアプリなどで中古の車載器を購入すれば、いくらか必要経費を抑えられるでしょう。
またETC車載器の取り付けは原則としてお店に依頼する形となりますが、この際には5,500円程度の費用が掛かります。
配線などについての知識や工具がある方が自分で車載器を設置した場合も、セットアップは専門店で行う必要があります。
ミスやトラブルを考えると基本的に自力での取り付けは非推奨となっています。
ETC車載器 (新品) | 6,000円程度~ ※機能によって大きく異なる |
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車載器取り付け | 5,500円程度~ |
セットアップ | 3,000円程度 |
合計 | 15,000円前後~ |
ETC車載器 (中古) | 3,000円程度~ ※機能によって大きく異なる |
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車載器取り付け | 実費のみ (自分で行った場合) |
セットアップ | 3,000円程度 |
合計 | 6,000円前後~ |
ETC車載器の販売・取り付けを行っている主なカー用品店
ここでは、ETC車載器を取り扱っている主なお店を紹介します。
オートバックス |
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イエローハット |
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タイヤ館 |
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レッドバロン(※二輪のみ) |
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店舗によって取り扱いサービスや販売している車載器が異なるため、可能であれば事前に一本電話を入れ、確認を取れると良いですね。
注意!その車ではじめてETC車載器を使うには「セットアップ」(再セットアップ)が必須
車載器は購入後、「セットアップ」という手続きを行うことではじめて利用可能になります。
セットアップとは、車種・ナンバーなどの車両情報を、車載器に書きこむ作業のことです。
技術や信頼性に関する審査を通った登録店でしか行えないため、どんなに出費を抑えたい場合でもこの過程は避けられません。
一般に、セットアップの料金は3,000円程度となっています。
お近くのセットアップ登録店については、以下の公式情報をご確認ください。
★「中古の車載器を購入し、別の車に載せ替える」「中古車購入の時に車載器が付いてきたが、ナンバープレートを変えた」といった場合も、登録店での「再セットアップ」が必要となります。
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ETCセットアップとは?
ETC車載器の3つのタイプ(形状)について
ここからは、ETC車載器の具体的な選択肢について触れさせていただきます。
①2ピースタイプ
ETC車載器の形状には3つのタイプがあります。
まず挙げられるのが、「車載器」「ETCカード」のみで使える「2ピースタイプ」ですね。
「アンテナ一体型」とも呼ばれるこのタイプは、最も価格が安い傾向にあります。
ただし、設置場所が限定されやすいこともあり、現在このタイプの車載器は主流ではありません。
▲写真はメーカー公式HPより
②3ピースタイプ
ETC車載器を探していると、最も多くヒットするのが「3ピースタイプ」です。
こちらは車載器とアンテナが分離しているもので、車載器を好きな場所に設置できるのが特徴ですね。
2ピースタイプに比べると車載器が視界の邪魔になりにくいため、現在の主流となっています。
▲写真はメーカー公式HPより
③ビルトインタイプ
自動車メーカー各社からしか入手できず、費用はかさみがちなもののデザインや機能性に優れるのが「ビルトインタイプ」です。
こちらは運転席の周りに、ETC車載器がセットされたタイプですね。
3ピースタイプよりもさらに車載器が邪魔にならず、デザインを損なわない上、防犯の意味でもベストです。
こちらは原則として新車納入のオプションサービスとして利用することになります。
▲写真はメーカー公式HPより
★多くのビルトイン車載器は、3ピースタイプ(アンテナをフロントガラス付近に設置するタイプ)です。
代表的な車載器メーカーとおすすめ車載器
ETC車載器は、自動車メーカー各社の他に、家電メーカーや自動車部品メーカーなどからも発売されています。
機能としてもシンプルなものから、カーナビに組み込まれた一体型の高機能なものまで様々なタイプがあります。
以下の表では、主な車載器メーカーと、人気のある代表的な商品をまとめました。
Panasonic | ▲CY-ET926D(3ピース) 言わずと知れた大手メーカー。 |
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デンソー | ▲DIU-9500(2ピース) メーカー純正製品も手掛けるブランド |
三菱電機 | ▲EP-6319EX(3ピース) オートバックスの「ETC取り付け工賃コミコミセット」で一番安く利用できるETC車載器はここ(音声案内対応) |
通販サイトなどでも、人気を集めているのは上のような5,000円~7,000円程度の車載器となっていますね。
とは言え、より快適な運転環境を求めるのなら、ETC2.0対応の高額なETC車載器を検討してみても良いかと思います。
自動車メーカーから発売されている車載器を選ぶメリット・デメリット
ここからは、「自動車メーカーから発売の車載器と、そうでない車載器」それぞれの特性についてお話していきます。
①納車の際に、必要な手続きを「ETC車載器セットアップ込み」で済ませられるので手軽
新車購入の際のオプションに「ETC車載器の購入〜取り付け・セットアップ」を加えれば、ETCカードを挿すだけでETCを利用できます。
納車後に取付やセットアップの申し込みをし、日時を決め、セットアップ店へ行く手間を省く事ができますね。
②見た目も安全性も優れた「ビルトインタイプ」は純正品のみの対応
ETC車載器を運転席周りに組み込める「ビルトインタイプ」は、メーカー純正品でしか利用できません。
配線などのないすっきりした見た目でETCカード盗難などのリスクも低いことから、ビルトインタイプを選択する利点は大きいでしょう。
▲写真はメーカー公式HPより
★ビルトインタイプのETC車載器は、新車以外には利用できない場合があります。
★純正品と同じ場所に後付けできる車載器などもありますが、これを利用できるかどうかは車によって異なります。
③純正カーナビとの組み合わせでサービスはさらに向上
メーカー純正の「ETC2.0車載器」は同じメーカーのカーナビと組み合わせることで、さらに優れた運転支援サービスを提供してくれます。
これはETC2.0車載器が取得した道路情報を、純正カーナビに伝え反映してくれるためですね。
▲メーカー公式HPより、カーナビと車載器の連動例
④万が一故障した場合の保証期間が長い
メーカー純正のETC車載器は、万が一故障した場合の保証期間が長め(一般に3年程度)に設けられています。
また不具合があった場合には、ネットで購入した車載器などと違いお近くのディーラーで対応してもらえるというのもポイントでしょう。
⑤デメリットは費用が高くつきやすいこと
メリットの多いメーカー純正車載器ではありますが、唯一にして最大の難点はその「値段の高さ」となります。
メーカー純正車載器、特にビルトイン型の2.0車載器ともなれば、単体での価格が3万円以上となることも珍しくありません。
インターネットやカー用品店でETC車載器を購入するメリット・デメリット
ここからは、メーカー純正品でないETC車載器のメリット・デメリットについてお話していきます。
①メリットはやはり料金を抑えられること
インターネットやカー用品店でETC車載器を購入するメリットは、やはりメーカー純正品より出費を抑えられることにあります。
特にシンプルな機能のものを選べば、新品でも5,000円程度からETC車載器を購入できるでしょう。
②デメリットは取り付けやセットアップに来店手続きの手間がかかることか
新車購入の際に非純正品の車載器を選ぶのであれば、いったんETCオプションの付いていない車を購入後、カー用品店などに向かう必要があります。
ディーラーですべての手続きを終わらせる場合に比べ、手間や時間が掛かりやすいのは事実でしょう。
③社外ETC車載器を使うとカーナビとの連動ができないことも
あなたが利用する車載器によっては、カーナビとの連動が難しい場合があります。
この場合は「ナビの画面でETC料金や有効期限を確認」「ETC2.0車載器で得た情報の反映」などのサービスを利用できなくなってしまいます。
少しでも快適なカーライフを優先したいなら、カーナビと車載器を純正品に揃えるのが無難でしょう。
ただし「ETCを通過するだけ」を目的とするのなら、安価な非純正の車載器を選んでも良いだろうと思います。
ETC車載器は「音声案内付き」とそうでないもの、どちらがおすすめ?
ETC車載器には純正・非純正の他に、音声案内付きのタイプとそうでないものが存在します。
ここからはこの2つのタイプの違いについてお話していきます。
★タイプの名称はメーカーなどによって異なります。
①現在の主流は音声案内付きのタイプ
現在のETC車載器の主流となるのが音声案内付きの車載器です。
この機能のない車載器に比べると若干値段は高いものの、「ETCカードの挿し忘れや有効期限を教えてくれる」「ETC2.0車載器なら、渋滞情報などを教えてくれる」など、便利な機能を備えています。
また値段が高いとは言っても、自動車メーカーの商品でなければ5,000円前後から購入可能です。
②中古品などを購入する際には音声案内が付かないかも
少し古いETC車載器を中古で購入する場合は、音声案内サービスが付いていないかもしれません。
音声案内が付いていなくても信号音やライトで、カードの挿し忘れなどを報告してくれるものもあります。
ただし安価な車載器を購入する場合には、型番などを元に機能を確認しておいた方が良いかもしれません。
ETCの利用には、車載器に加え「ETCカード」が必要
ETCを通るためには、車載器の他に「ETCカード」が必要です。
ここからはその「ETCカード」の概要について、簡単に触れさせていただきます。
①そもそもETCカードとは
そもそもETCの利用料金は、料金所で現金を支払う手間をカットするため「後払い」が基本となります。
この「後払い」となった道路料金の請求先が、「ETCカード」ですね。
ETCカードは基本的に、あなたが持っているカードの会社から発行されます。
例えばあなたが「Aカード」というカードをお持ちなら、あなたは「AカードのETCカード」を発行できます。
この場合、「AカードのETCカード」への請求は「Aカード」に向かいます。
つまりETCカードの利用分もAカードの決済として請求されるのですね。
そのため一部のカード会社を除き、ETCの利用分も、ポイント還元の対象となります。
②ETCカードは「カードのWebサイト」や「電話」で申し込める
ETCカードは請求先としたいカード会社の「インターネット会員サービス」や「電話」サービスで発行申請が可能です。
年会費や発行手数料の有無はカード会社によって異なるため、複数のカードをお持ちであれば発行元ごとの違いを見比べてみるのも良いですね。
またETCカードの申し込み〜到着までには1〜2週間掛かるのが一般的です。
★ごく一部のカード会社はETCカードの発行に対応していません。
③審査に通れないなどの事情があるなら「ETCパーソナルカード」という手段も
ETCカードの発行自体に原則として審査は行われないものの、「ETCカードを作るためのカード」を作る際には審査があります。
もしもあなたが何らかの事情でカードの審査に通れないなら、「ETCパーソナルカード」という無審査のETCカードを入手する方法もあります。
ただし「ETCパーソナルカード」は、税込1,257円の年会費が発生する上、事前にデポジット(保証金)の預託が必要です。
▲ETCパーソナルカード公式HPより。デポジットは平均利用月額の4か月分
これといった事情が無いのなら、カード会社でETCカードを作った方が良いでしょう。
ETCカードはセキュリティの観点から、「車載器への挿しっぱなし」が非推奨とされています。
また夏場になると、高温のためにカード変形や故障の原因となることもあるようですね。
現在のETC車載器はカードの挿し忘れを音声で教えてくれるものがほとんどですので、安全のためにカードの挿しっぱなしは避けたいところです。
ETC車載器の概要と選び方についてのまとめ
ETC車載器 | ETC料金を「後払い」にするため、車両情報を料金所のアンテナへ送るための機械。安価。 | |
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ETC2.0車載器 | 道路状況の取得機能などが追加された新型の車載器。 カーナビ連動が◎ | |
2ピース | アンテナと車載器が一体になったもの。 ダッシュボードの上に装着。 | |
3ピース | 現在の主流。車載器を好きな場所に設置し、アンテナをフロントガラス近くなどに設置。 | |
ビルトイン | 原則としてメーカー純正品のみ。 配線などが無くスッキリ。少し高価。 | |
メーカー純正品 | 主に新車納入の際にオプションとして選択可能。 ビルトインタイプを選べるのはこれだけで純正カーナビとの相性◎ | |
非純正品 | 安価。カー用品店などでセットアップが必要 | |
音声案内付き | 現在の主流。カードの挿し忘れなどを教えてくれる。 | |
音声案内なし | 中古品を購入した場合は音声案内が付いていないかも | |
つまり…… | ||
「快適なカーライフ」を最重視するなら、「メーカー純正のETC2.0車載器」、 「価格の安さ」を重視するなら「中古品含む非純正のETC車載器」の選択が基本 |
ETC車載器はその機能や製造元により、価格が大きく異なります。
ETCの利用頻度やカーナビとの連動を希望するかによって、あなたに合った車載器を選んでみてくださいね。
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3ピースとビルドインは同じでは?
3ピースタイプのETC車載器は、本体とアンテナに分かれており、それぞれ別の場所に設置します。
一方ビルトインタイプは、本体やアンテナが車内のインテリアに組み込まれている形です。
ビルトインタイプのETC車載器にも、3ピースタイプ(アンテナが分離)と2ピースタイプ(アンテナと一体)があります。