「会員規約って読まなきゃいけないと思っているけど、読んだことないな……」
「会員規約にはどんなことが書いてあるんだろう」
カードの会員規約とは、カード会社が会員に向けて利用上のルールをまとめたものです。
ほとんどの場合、規約には条項ごとに小タイトルがついているので、小タイトルを参考に必要な項目だけ確認しましょう。
また、「よくある質問」などを活用するのも大事です。
ここでは、カードの会員規約の読み方やよく使われる用語、「よくある質問」の活用方法などを解説していきます。
読み終えていただければ、問題の解決方法を自分で探せるようになりますよ。
目次
会員規約の読み方と確認しておくと良い項目
会員規約を読むコツは、各条項(第一条などと書かれた、契約内容を箇条書きにしたものの見出し)を確認して必要な条文だけ読んでいくことです。
小条項の見方と、ぜひ確認しておきたい条文の名前を解説します。
①会員規約には項目ごとにタイトルがついている タイトルを参考に読もう
会員規約にはほとんどの場合条項ごとに見出しがついています。
例えば、年会費について確認したいときは「年会費」の条項を見ると良いわけです。
また、内容の関連する条項は連続して書かれていることが多いです。
例えば、「紛失」という条項の近くには多くの場合「保障制度」という条項があります。
調べたい内容がどこに書いてあるか分かりにくいときは、関連する条項をまず探すと良いでしょう。
②金銭に関わる項目やカードの貸し借りに関わる項目はぜひ読んでおこう
続いて、会員規約の中で特に読んでおきたい内容について解説していきます。
重要なところだけかいつまんで確認したいときは、ぜひ以下の条項をご確認ください。
- 【金銭に関わる条項】
- 手数料に関わる条項
- 遅延損害金についての条項
- 【禁止事項に関わる条項】
- 会員資格の取消を説明する条項
- カードの貸し借りに関わる条項
基本的に、金銭に関わる情報はカードの公式webページや「よくある質問」で確認できます。
しかし、手数料や遅延損害金については会員規約まで読まないと詳しく載っていないことも度々あります。
これらの情報は多くの場合、会員規約の一番後ろに表の形で掲載されているので一度目を通しておくと良いでしょう。
禁止事項は「会員資格の取消」というタイトルの条項にまとめて書かれていることが多いです。
会員が以下のいずれかに該当した場合、当社は会員資格を取り消すことができます。
(1)本規約のいずれかに違反した場合
(2)カードやローンに申し込みに際し、虚偽の申告をした場合
(3)カード利用に関わる債務(やらなければならないこと)を怠った場合
(4)換金目的など、不適当なカード利用があった場合
(5)カード会員が死亡した場合
など
基本的には、この条項を破らないようにしていればカードは安心して使うことができます。
ただし、会員資格の取消条件には「規約に違反した場合」と書いてあることがほとんどです。
そのため、実際は規約全文を確認する必要があります。
とはいえ、全文を確認するのは現実的ではありません。
そこで、違反しないよう特に気を付けたい条項を挙げると「カードの貸し借りに関わる条項」があります。
ほとんどのカードは規約で貸し借りが禁じられています。
以下のようなケースもカードの貸し借りに該当してしまうため、注意が必要です。
- お使いにカードを渡し、支払いで使わせる。
- レストランでカード所有者が席を外している間にサインを求められ、サインを代筆してしまう。
その他、電話番号などが変更になった場合も登録情報を更新するよう、規約に記載があります。
届出事項の更新を怠った場合、規約違反に該当する場合があるので注意しましょう。
③利用者の損失が著しい規約は法律によって無効化される
一般的に、契約を結ぶ際、消費者は事業者よりも知識や情報の量が少ない状態です。
また、消費者は自由に契約の内容を決めることもできません。
そのため、消費者を守るために「消費者契約法」という法律があります。
この消費者契約法によれば「消費者の損失が著しい契約・規約は無効化」されます。
次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
(以下、ニ三四と続く)
このような法律があるため、カード会社はカード利用者が一方的に不利な規約を作成することはできません。
「不利な契約を結んでしまったかもしれない」と思ったときは、消費者ホットライン「188」に電話しましょう。
最寄りの消費者生活相談窓口を案内してくれます。
不利な契約を無効化できるのは、誤認や不当性に気づいてから1年以内です。
この契約怪しいな、と思ったらなるべく早く相談するようにしましょう。
会員規約に使われていることの多い用語の解説
続いて、実際にカードの会員規約を読む際に知っておきたい用語を解説していきます。
カードの会員規約でよく使われている用語は以下の通りです。
本会員 カード券面に名前の書いてあるカードの持ち主のこと。 |
家族会員 「家族カード」という本カードに紐付けて作成するカードの会員。 |
加盟店 カードを使うことのできるお店のこと。 |
利用枠・ショッピング枠・キャッシング枠 利用枠とはカードで一度に使える上限金額のこと。 ショッピング枠とキャッシング枠に分かれており、それぞれ上限が異なる。 |
カードの停止 カードの機能を一時的に停止すること。退会とは異なり、カードの再開手続きをすればまた使えるようになる。 |
実質年率 さまざまな手数料などを含んだ、実質上の年率。実質年率10%なら1年間で10%の利子がつく。 |
約定利率 規約上で定められている利率のこと。 |
遅延損害金 カードの支払いが遅れてしまった場合に支払わなければならないお金。 |
実際に会員規約を読む際には、ぜひこの項目を参考にしてください。
「よくある質問」やwebサイトも活用しよう
ここまで会員規約の読み方を解説してきましたが、規約を読まずに済ませられるならそちらの方がずっと楽です。
そこで、最後に会員規約を読まずに解決できる問題と、その解決方法を紹介していきます。
①よくある質問を見ると大体の疑問は解決する
カードの公式webサイトには「よくある質問」のページが必ずあります。
ここを見れば大体の疑問は解決することができます。
カードの加入時に分からないことや使っていて気になることは、大抵誰かが既に問い合わせているからです。
一部載っていないことがあるとすれば、会員資格の取消や遅延損害金に関する情報は少なめです。
これらの情報を検索し、よくある質問に見当たらなかったら規約を確認すると良いでしょう。
また、よくある質問に回答が載っていても内容が不十分というケースもあります。
そうした場合には、自身でカード会社に問い合わせる必要があります。
②載っていないこともあるが、公式webサイトで解決できる疑問も
「よくある質問」ページで大抵の問題は解決できますが、公式webサイトで確認できる情報はそちらを見た方が良いでしょう。
そちらの方が情報を見つけやすく、より詳しく紹介されています。
- 申し込み対象者
- カードの年会費
- 選べる国際ブランド
- ETCカードや家族カードの有無
- ポイント制度の説明
- ポイントで交換できるもの
- 店舗割引特典など特典の内容
- 付帯保険の内容
逆に以下の情報は公式サイトに載っていないことも度々あります。
- カードの利用枠
- 支払い方法
- 締め日と支払日
- 申し込みから届くまでの時間
これらの情報が公式サイトを見て見当たらないときは、よくある質問を活用すると良いでしょう。
③どうしても分からない場合には問い合わせることも大事
ここまで自身で情報を集める方法を紹介してきましたが、どうしても分からないときには問い合わせることも大事です。
カード会社には電話やメールによる問い合わせ窓口が必ずあります。
「よくある質問」や会員規約を確認しても分からない疑問があるときは、要点をまとめてから問い合わせましょう。
電話窓口は混雑していることが多いため、時間に余裕があるときはメールでの問い合わせがおすすめです。
まとめ
- 会員規約は各条項の見出しを参考に読み進めよう。
- 「会員資格の取消」という条項を読めば禁止事項を把握できる。
- カードの貸し借りは規約で禁じられている。
- 利用者の損失が著しい契約は法律で無効化できる。
- よくある質問や公式サイトも活用して上手に情報を集めよう。
会員規約には会員が守るべき約束などが書かれています。
必要な項目だけでも確認するようにしましょう。